The Migratory Bird

自分が渡り鳥だと勘違いしている人間の書き溜め

最初胡散臭いと思った勉強法の本の感想

 今日は読んだ本の感想をまとめておこうと思います。ツイートするだけじゃ頭に残らないと思ったので。

 

今回↓こちらの本を読んでみました。

16万人の脳画像を見てきた脳医学者が教える「脳を本気」にさせる究極の勉強法

16万人の脳画像を見てきた脳医学者が教える「脳を本気」にさせる究極の勉強法

  • 作者:瀧 靖之
  • 出版社/メーカー: 文響社
  • 発売日: 2017/07/14
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

 いい勉強法の本はないかなあと本屋をうろついていたときに見つけたものです。探し始めた時は、勉強法の本ってなんだか胡散臭いものばかりで困りました。元々頭のいい人書いた自慢臭いやつとか、小手先だけのテクニックがたくさん載っててどうも自分には取り入れられなさそうなやつとか、大学受験に特化したものとか、そんなのばかりでした。その中で「これならマシかな」と思い手に取ったのがこの本でした。文字が大きいから1日で読めるし、ちょっと買ってみるか〜と妥協した結果でした。

 

 タイトルは胡散臭いし、文字は大きいし、かなり疑いの気持ちを持って読み始めました。しかし読み終えた感想としては、「買ってよかった〜」です。

 

 本には、元来脳は「知る」こと、「勉強する」ことが好きだということ、大人になると記憶力が落ちる、わけではないということ、働かせ続けることで老化を防ぐことができること、効率よく勉強するために取り入れるべき習慣のこと、など簡潔に色々と書いてありました。他にも科学的な裏付けがある「大人の脳に向いている」具体的な勉強法も書いてあって参考になりましたが、何より私は「夢を持つこと、好奇心を持つことが脳のパフォーマンスを上げる」といういった記述に惹かれました。

 

 私は我ながら好奇心が強い方だと思います。子供の頃から「なんで?なんで?」と聞きまくって大人を困らせていました。小学校に上がる前には小学校の勉強にめちゃくちゃ楽しく取り組んで図鑑や児童書が好きでよく読んでいました。小学校に入ってからは、スポーツはバスケットやバドミントンを習い、ピアノも習い、親が持っていたギターを弾き、フルートを吹き、作詞作曲をし、毎日ブログを執筆し、さらに小説を書い(て何度も挫折し)たり、漫画を描いたりもしました。他にも劇団に入ってミュージカルに出たり、進研ゼミ(続かなかったけど笑)をやってみたり、一人で漢検の勉強をしてみたり、インコの飼育本を丸ごと暗記して毎日親に内容を聞かせつつ飼わせてくれと頼んだり、色んなことに自発的に取り組みました。親にやれと言われたことは何一つなくて、すべて自分からやりたいと言い出したことでした。今思うと「やりたい」と一定期間言い続けるとやらせてくれた親には感謝しかありませんが。そんな私は大人になった今も好奇心が絶えません。私はこの好奇心は宝物だなと心から思います。5年前適応障害になって、抑うつが酷くて、文章も理解できず上手く言葉も操れないほどに脳が壊れてしまった頃も、いつだって私にはやりたいことがあって、夢がありました。だからこそここまで回復できたのだなと心底思います。今もやりたいことがたくさんあって、そのために頑張ろうと毎日のように気を引き締めることができます。この本を読んで、改めて自分の強い好奇心を大事にしようと思えたし、これでいいんだ、と思えて、とても嬉しかったです。

 

 同時に、こんなことも考えました。どうしても好奇心が持てない人、さらには、好奇心を持つところに到達するために元気な脳を作るために生活習慣を整える元気すらない人は、一体どうしたらいいんだ?

 

 私の兄はよく「すごい人には根本的な生に対するエネルギーが潤沢にあるけど僕にはない、どうしたらいいんだろう」と言います。私もその気持ちはよく理解できます。すごいなあ、活動的だなあ、と思う人が、どうしてそんなに腰が軽いのか、色んなことに手を出して器用にこなすことができるのか、全く理解できないなということがあります。でも私はこの本を読んで「要は脳の違いだな」と感じました。本書では脳を、可能性を秘めているが扱いの難しい小馬に例えていましたが、まさにその小馬さえ上手く育ててあげれば、なりたい自分になれる気がしました。なんだかクサい文章になりましたが、文字通りのことを思いました。脳には可塑性があります。本にも書いてあったし、20代になって脳の機能の仕方が変わったなと感じた経験、抑うつ状態からの回復の経験を通して、強く実感していることです。脳が変化し続けているということは、良い方向にも変えることができるわけです。しかしそこに、「変えるための元気がない場合はどうするんだ」という問題が生まれます。変えるためには、自分がなりたい姿を死ぬ気で考えること、夢を持つこと=モチベーションの向上、そこから実現に近づく環境を整えること、生活習慣を見直すこと(食事と睡眠と運動を見直す)、などが書いてありましたが、それは理解できます。しかし、それを実行に移すやる気が出ない場合はどん詰まりではありませんか?どうしたらいいんだ?...その答えは本には書いていなかったので、少し考えてみました。

 

私の答えは、単純ですが、「ほんの、もうめちゃくちゃに小さな変化でいいから作り出すことから始める」です。もうめちゃくちゃに小さいことでいいから変化をつけることです。本には脳にとってのハードルを下げる=負担(ストレス)を小さくすることの重要性も書かれていたし、多分私は正しいと思います。例えば、兄を例に考えてみれば、勝手に書いて申し訳ないんですが、兄は趣味に時間を注ぎたいけれど、仕事のある日は帰宅してもスマホを触って終わりだし、休日もスマホをしている時間が長くて満足に取り組めません。未来に希望がないから未来のことを考えるのが基本的に嫌で、職を変えようとしているけどなんだかパッとしません。私がもし兄で自分の生活に小さな変化を出すとしたら、まず睡眠時間を長くします。(普段6時間とか言っていた) これならハードルが高くないし、脳の休養にもなってグッドです。あと他にも、「やりたいこと」について人と語り合う、なんかができる気がします。多分ですが、兄には「やりたいこと」がなんとなくいくつかあります。あるのに取り組めないのは、1.スマホに時間を取られている 3. なんとなく体がだるくて元気がない 2. そもそも「なぜやりたいのか」というもっと根本的なモチベーションが明確でない というのが大まかな理由なんじゃないかと思います。特に大事なのは3.だと思っていて、人と語り合うことで何をやりたいのか具体性が生まれたり、励ましてもらえたり、自然とやる気が出たりする気がします。人と話すだけならそんなに難しいことじゃないのではないでしょうか。他にも、漠然と未来に希望がないというのは、目の前のことが楽しめていないからなのではないかと推測するので、集中する時間をもっと作ることでカバーできるんじゃないかと感じます。人生ってつまりは今この瞬間の積み重ねだと思っているので、今が充実すれば自動的に人生も豊かになるのだと私は信じています。集中して生産的なことに取り組む時間を増やす、それももうめちゃくちゃちょっとで良くて、本当に1日1個興味のある編集ソフトのオペレーション動画を真面目に見るとか、ほんの5分でいいから英単語を眺めるとか、です。そのためには「行動に移しやすい環境づくり」が必要となってくるわけですが、そのための行動だって、もう、めちゃくちゃに少しでいいと思います。例えば英単語帳をいつも触るソファの上にいつも置いておくとか。

 

 つまりすべきこととしては、

①夢や目標を持つ

→持とうにも持てない場合は「やりたいこと」を考えて、なぜやりたいのか掘り下げて考え、夢や目標につなげる(TOEICで高得点を取りたいから英語の勉強がしたい、ではなく、そもそもなぜ英語がやりたいのかを考える)

→「やりたいこと」がない場合は子供の頃好きだったこと、今までやってみて少しでも楽しいと感じたこと、やりたいと思ったが諦めたこと、やっていて心地いいこと、などを思い返してみる

→夢や目標が思いついても「どうせだめだ」とか「そんなことしてもしょうがない」とネガティブな考え方に陥る場合は、目の前にあることや手の中にあるものを満喫できていない、そういった経験からくる無力感があるため、ネガティブなことを考える余裕のない「集中する時間」を設けるようにして、無力感や薄い絶望感を少しずつ取り除いていく。それは現実逃避ではダメで、少しでも生産的で、事後に「やってえらかったな」と自分が思えることにする。

★今自分が持っている環境や能力、モノや人との繋がり、などを見直して、低評価したり卑下したりするのでなく、大事にして、生かす方向で考えてみる。

 

②夢や目標を叶えるために必要な行動を起こすために有効な環境づくりを考える

→勉強だったらハードルを下げるためにリビングに教材を置く、夜勤をやめて日勤の仕事にする、睡眠時間を増やす、時間を決めるのでなくいつでもやりたくなったときにできる手軽な筋トレを調べる、家で勉強できないならカフェに行く、定期的に友人に会って進捗報告をする、ブログで記録をつける、など

 

③環境づくりの行動を起こすための行動のハードルを最小限にする

→リビングに置く教材は1つから始める、日勤の仕事に変えるための転職活動を1日5分からでいいのでやる、よく眠るために寝る前のスマホをやめたいがいきなりベッドに入る前30分間スマホを触らないというのは厳しいのでベッドに入って10分はやってもいいことにする、筋トレについて調べるのが面倒なのでとりあえず暇なときに家でスクワットをしてみる、カフェに週1でもいけたらOKということにする、友人に定期的に進捗報告は難しいのでとりあえずご無沙汰な友人に声をかけてみて交友スイッチを入れる、ブログはだるいのでとりあえずTwitterに進捗報告をする、など

 

こんな感じかなと思います。

一気に頭で考えるのは難しいので、ノートやメモ帳に書き出して頭を整理してみることをお勧めします。私は考えを整理したいときはノートに書き出すようにしています。その行動を起こすのもかったるい場合は、家だとだらけてしまうからカフェでやってみる(誰もノートの中身なんて見てないので是非やってみてほしいです)、最初の①だけでいいからスマホに書きだしてみる、頭でちょっと考えるだけしてみる、この方法や発想に興味を持たなかったということは自分に合っていないと判断して切り捨てる、などでいいと思います。

 

 

私の例で言えば、私は勉強がしたいです。慶應通信で勉強をしています。なぜなら、修士課程、博士課程に進みたいという夢があるからです。それはなぜなら、生物学や神経科学の分野で研究というものがしてみたいからです。それはなぜなら、適応障害の治療生活を経て脳に興味を持ったからだったり、昔から鳥類を始め生物が好きだからだったり、科学者という職業と研究という行為に漠然とした憧れがあるからだったり、好きな海外ドラマのキャラクターが科学者だからだったりします。そのためには毎日、目の前にある勉強のタスクを地道にこなさなくてはいかなくて、そのためには脳とうまく付き合っていく必要があるので、睡眠を8時間取り、食事は低GIなものを選び、毎日家を出て少なくとも散歩はするようにします。そのためにはTwitterで意気込みを書いたり、自己カウンセリングノートで思考を整理したりします。勉強においては、テキストはザーッと読んで全体を把握して脳に予習させてから楽しさをもって細かいところを学習していくようにします。テキストはリビングに置いて学習のハードルを下げます。といった感じです。

 

 本を読んでも疑問が残ったので自分で答えを導いてみましたが、多分こんな感じで脳がいい方向に変化していくと思います。確証はありませんが。

 

せっかく可塑性のある、希望のある脳を持っているのだから、なんとか活用して、少なくとも私は、少しでも楽しく生きたいです。なぜなら生きるしかないので。生きるしかないなら少しはマシな人生がいいです。そのためには努力が必要だけど、そのハードルも下げに下げれば何かしら今の脳でもできることがあるはずです。そして小さな努力を重ねていれば、少しずつ生活は良くなるんじゃないでしょうか。お金がなくても、恋人がいなくても、仕事がつらくても、要は脳です。脳が元気になれば、適応すれば、楽になると私は思います。逆に脳が環境に適応しきれず苦しいなら環境を変える小さな小さな努力をするしかないです。そんな小さな努力すらできない、元気がなくて苦しいようなら、精神科で薬をもらって化学物質に頼ればいいと思います。それは恥ずかしいことでもなければ、ダサいことでもありません。

 

 

 ちょっと長くなりましたが、私はこのブログを書くことで読んだ本についてしっかり頭に入れることができました。ついでに読んでくれた人の一助になれば望外の喜びです。紹介した本は、短くて読み終わるのに時間もかからないし、素直な態度で読めば読後には何かしら前向きな感覚を得られると思うのでおすすめです。

 

読了ありがとうございました。

 

おわり