The Migratory Bird

自分が渡り鳥だと勘違いしている人間の書き溜め

勉強ができるようになった

 正直言って私は昔から勉強が「できる」タイプの人間ではありません。中学まではどこにでも一定数いる「勉強しなくても成績が良い」タイプでした。しかし高校に入るとそうはいかなくなり、成績はだだ下がりでした。残念ながら、高校の内容も努力なしで上手くこなせるほどの頭ではなかったようです。せめて授業で吸収すればいいものも、授業中も寝ていた、なんなら学校をサボっていたので仕方もありません。

 

 そんな感じで大学生になった私はPMS発達障害を起因に心身を病んでしまったので、もちろん勉強なんてできませんでした。一つ目の大学では無論、二つ目の大学でもろくにできませんでした。大学に入れば今までと違い強制されず好きな勉強ができるんだ、と期待していた私は、やりたくてもできないという現実に苦しみました。自分が悪いのだ、だめなのだとたくさん自責を重ねました。勉強はやりたいことであるのと同時にやらねばならぬものだと自覚していたためです。

 

 今考えてみると、私がこの5年半取り組んできた精神疾患の治療というのは、概して「勉強できるようになるための努力」であった気がします。私は新しいことを学ぶのが好きだという気持ちや、学んで成績を出さなくてはいけないという責任感が人一倍強いです。しかし、私は子供の頃から「勉強」という行為をする習慣が微塵もありませんでした。机につくことにさえ抵抗がありました。しかも長引く心身の不調が勉強から私を遠ざけていました。完璧主義の始動(思うように完璧にこなせる自信がないからそもそも触りたくないといった思考)や強すぎる不安(失敗したらどうしようと思うと怖くて触れない)がストッパーにもなっていました。その状態は無論めちゃくちゃにストレスフルで息苦しいものであり、そこから脱するために行ってきた努力は、結構なものだと自負しています。

 

 そんな私ですが、ハッキリ言って、最近はちゃんと勉強ができています。生活に学習が馴染んできている感じがします。「継続」という名前のアプリを使用して「30日間毎日英語をやる」目標を決めて取り組んでいたんですが、コケる日もあれど一応最後まで成し遂げることができました。と言っても理想のごとく毎日6時間や8時間もできているわけではありませんが、何より「家で勉強すること」ができるようになりました。多分読んでくれているみなさんにとっては努力を要さない普通のことなんでしょうが、私の中ではかなり大きな進歩で、涙が出そうなほど喜ばしいことです。あの本が読みたいな、とふと思っても、強いストッパーと不安が襲い、できず、鬱になる、それが私の普通だったので、これは本当にすごいことです。

 

 「勉強ができるようになった」というのは単純なことですが、私にとってはたくさんのことを意味します。まず、「安定して毎日生産的なことができる」ようになったことを示します。何もできず一日中寝ているような日もあった私にとっては大きなことです。要は体がちょっと強くなったとも言えます。次に「完璧主義思考が緩やかになった」ということです。例えばなんらかの理由で勉強ができなかった1日の終わり、「思うようにできなかったからもうやりたくない」と思わず「少しでいいから何かやろう」と手をつけられるようになりました。他にも、今までなら「計画していた科目すべてのレポートが出せなさそうだ、もう嫌だ怖くて触れない」と震えていた私が、「次のレポート提出までに全科目は無理そうだから減らして、できる限りで頑張ろう」と思えるようになりました。思考の歪みがなかなかに矯正されたと言えると思います。他にも、完璧主義を発動させる原因となっていた「自信のなさ」が少しマシになったと思います。「自分には達成できないかも」と思うから怖くて不安でテキストに触れられなかったわけですが、最近は「とにかくやるしかないからやろう」と自分を奮い立たせることができるようになりました。普通に人にできることができるようになっただけだけど、私にとっては大きな変化です。

 

 なぜこんなに変われたのか?というと、やはり薬のおかげが大きいと思います。今飲んでいる薬(レキサルティと炭酸リチウム)を飲み始めてからかなり生活が変わりました。鬱に沈む時間が激減したし、以前より頭もスッキリしています。副作用で太ったっぽいけど、薬を止めることが怖いし、それはそれで困ったなと思っています。他にも、一度婦人疾患を患った部分が再度痛んでおり、もしかしたら薬が女性ホルモンの分泌に関係しているせいかもしれないなと考えたり、色々不安もあります。もし薬を変えることになっても、この現状を維持できたらいいなと思っています。また、こんなに変われた理由の一つに、恋人の支えがあると思っています。私は上述の通り思考に癖があるので、困った時に正しい方へ導いてくれる彼の存在は有り難いし、何かあるとなんでも肯定して褒めてくれることも、家事の手伝いをしてくれていることも、かなり有り難いです。本当に感謝しきれません。

 

 

 以上、嬉しい進歩があったので記録しておこうと思い書きました。読んでくださった方ありがとうございました。まだまだ不安定な時もあるけど、これからも勉強を楽しく頑張ります。よかったら応援してください。慶應通信の同志のみなさんは、一緒に頑張りましょう。

 

おわり